「六ヶ敷」と書くと地名みたいな感じがするけれど,
これは「もうしひらきむつかしきすじ」と読むらしい. 申し開き難しき筋,ですね. これ使えそう☆ +*+*+*+*+*+* 『小林秀雄の恵み』(橋本治)を読んでいる. 本書は小林秀雄の書いた『本居宣長』を読み解いての小林秀雄論(たぶん). 以前『三島由紀夫とはなにものだったのか』を読もうとして, 話が難解すぎるし三島の書いた小説の話ばかりするしでついていけず, 十数ページで早々に断念した経緯があり, それと同じ匂いを感じた本書は「おそるおそる」読み始めたのだけれど… 難解な話のはずなのにするする読める. 論理は非常にややこしいが,「前知識の必要の無さ」が歴然として清々しい. 「なんでこんなことを言うんだろう?」は至る所にあるのだけれど, その疑問を発するための理路の理解の道筋はわりと平坦である. だからこの調子で読み終えると, 「なんだかするっと読めたけど何が言いたいのかさっぱり分からない」 ということにもなりそうだけれど, 前知識を加えて再読して得られるものが増えるかといえば多少以上のものでもなさそうで, ハシモト氏著作においてはいつものことといえばいつものことのようでもあるので, 別にいいのか. しかしこんなこと(↓)を言われるとついつい気が大きくなって, 「小林秀雄も全部読んじゃおっかなー」とかなりそうなのだけど, いいんだろうか. >> 読むのは,「本居宣長の言うこと」ではない.中江藤樹や契沖のそれでもない.それらを掲げる,小林秀雄の言うことなのである.だからこそ小林秀雄は《ごく簡明な話だったのである.》と言う.簡明にならないのは,ただそこにある「小林秀雄以外の人物の言うこと」を読むのに手間取っているだけなのである.それもまた,ただ読めばいい.読めるように,古い時代の文章に慣れればいい.必要なのはそれだけで,それを言う固有名詞達に関する知識は,必要がないのである.それは実は,『本居宣長』だけではなく,小林秀雄が生涯を通して言い続けていたことなのだから,特別なことではない. p.131 >> あ,最初に言いたかったのは別の話で. 本書のBGMとして抜擢されたのが文鳥Pの「霧初音」. 本書を読む前にたまたま他の曲と一緒に聴いてただけでしっかり選んだわけではないけれど, なぜか思いついた(=本書を読み始めて,頭の中で流してみた)瞬間にジャストフィット感. さっき曲の解説を見ると「先の見えない霧の中を進んでいく雰囲気」とあって, 「これか!!!」と後付けで納得. 言いたかったのは一言,「重きに堪え得る」と.
by chee-choff
| 2011-03-27 23:36
| ハシモト氏
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