ホントに書評じゃないものばかり書くな自分.
書評を読むのは大好きなのだけど, (日曜の新聞の一番の楽しみは書評欄だ) 書評を書くのは本当は嫌いなのかもしれない. …ことはなくて,単に合ってないだけな気がする. ので,書評サイトには載せずにここに載せる. +*+*+*+*+*+*+* いちブレイクスルー 2011/01/23 00:47 「東南アジアの国から」(梅棹忠夫『文明の生態史観』所収)を読み終えて、ふと思いつき書き留めたこと。 なぜ書いたかはここにあらためてから考えることにする。 「それを言うことによって(あなたは)何を言おうとしているのか?」という疑問は「実践的疑問」。その問いから始まることは重要だが(=それが「思考のスタート」となる)、その問いの束縛から解放されることが1つのブレイクスルーとなる。つまり、その「実践的疑問」に対応する答えは(自分の中には見出せても)(例えば「師」の中には)ないのであり、その疑問とは別の駆動力によって思考が展開される可能性に思い至り、新たな思考のスタートとなる。この思考がまた別の人(かつての自分のような)の「実践的思考」を誘うことになる。 「その(実践的な)答えに関わらず問いを楽しめる思考」 を展開できるようになることが、1つのゴールであり、1つのスタートとなる。 ここに書き留めながら思い出した。 世界を見渡す興味でもって梅棹氏は本論を書いたが、 日本の知識人は「日本の評価」という視点でしか 読もうとせず、そう意識して書かれたものでないのに 「べき論」にすぐもっていこうとする傾向に 氏は驚いていたのだった。 その知識人が「江戸武士のなれの果て」であるという 説にはついなるほどと頷いてしまったが。 それはおいといて、 その驚きと一緒に氏は「まったくの興味でもって 本論を書いた」とも言っていて、 もしかしたらウチダ氏、ハシモト氏にも そういう部分があるのではないか、 というか最初から「それ発」なのだろう、 と思い至ってのメモだったのだ(=これが「これ」を書いた理由)。 「実践的な観点」は思考が現実生活と結びついている限り 現実とは切っても離せない関係にはあるとは思うが、 興味が高じて実践的な観点がズレていく(興味の 赴くままに引っ張られる)という状況も、 ↑の話と通じるのではないかと思った。 むしろ切り離せないからこそ「拮抗する中でのズレ」 を期待するのが、現実生活を保つためにも 守るべき妥協点なのかもしれない。 論理の足を掬うようだが、まったくの興味以外の いかなる意思も思考に介在されないのならば、 とうぜん退廃を招くであろうと思う。 まぁその匙加減は本人の中の話であって、 外に対しては「まったくの興味で…」でいいのだ。 僕も軽くはそう言うだろうけれど、 深く考えて同じ意味のことを語るとなれば、 少し言葉を変えたい。 それは↑で書いた、「実践的価値観が興味の推移に 引っ張られる」という表現が適切かと思う。 2011/01/23 01:06 +*+* 間分野的思考 2011/02/06 21:26 本日読了。 とても面白い。 本書も内容というよりは視点を楽しむものと感じた。 細かい感想等は後に書くとして、 読中に思いが及んだ別のことをここに書く。 本書を面白いと感じた自分の興味が、 学部で「最適設計工学」領域の研究室を選んだ興味と 同じものであると感じた。 それは「間分野的inter-regional」思考に対する興味。 細分化されてはいるが、どの分野の学問も「学問」として 共通の性質をもっており、だからこそある分野で学んだ 考え方を他の分野でも適用することができる。 その「おトク感」に惹かれたのかもしれない。 …大阪人だけに。 あるいは、そういう分野をまたいだ思考をすることで 「全く新しいものを生み出さなくても新しいことが できる」と感じたのかもしれない(変な表現だが)。 どうも昔から自分は「創作」が苦手だったようで (小学校時に通っていたアトリエで「好きなものを描け」 と言われて何も思いつかず泣き出したことがある。 結局そのアトリエは途中で辞めたのだった)、 ある意味創作行為を神聖視していた自分は、 「視点の新しさ」を疑似的に創作とみなしたのだろうか。 そして「人と違うことをしたい」と小さい頃から 思っていた自分は「人と違うもの、新しいものを作る」 ではなく「人と同じものを新しい視点で見る」方に 興味を見出していったわけで、それを思うと昔から 自分は抽象志向だったのかと少々驚きである。 こんなことを考えるのは、 「人は変わらないよ」 「会社が、社会が変わるには時間を必要とするけれど、 人はすぐに"変わる"ことができる。 それは、"昔を思い出す"こと。」 といったことを、 今日『いいひと。』で読んだ影響かもしれない。
by chee-choff
| 2011-02-19 19:17
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