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深爪エリマキトカゲ
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◆ (v7) 前意識の脈動<North-T>
ボーカロイド作曲者(P)紹介⑦.

「脳内BGM@ミステリー」シリーズ3.

今回はNorth-T(畳P)さんのこの一曲.

⇒ 【初音ミク】 オリジナル曲 「mist night」

対するミステリは…森博嗣の「SMシリーズ」(犀川&萌絵のやつ).


SMシリーズ(全10冊)はだいぶ前に読み終えているが,

シリーズ読んでる期間はずーっと聴いたり頭の中を駆け巡ったりしてたので,

ここ数年仕入れた脳内BGMの中では一番血肉化している曲.

(前奏もメロもサビもラスサビ前の入りもラス転調後もわりと詳細に脳内再生できる)

 (思い出したように少しだけ曲紹介をする.曲の構成楽器は多いものの音圧はあまり

 いじってなくて多少淡白な印象を受けるけれど,それが逆にそれぞれの楽器単独での

 個性をうまく助けており,各楽器を単独重視で聴いても味があって深い.その意味で

 何度か聴いてやっと曲の良さがわかる「スルメ曲」であるとも言える.)

シリーズ第一作を読み始める時にちょうどこの曲と出会ったというのと,

雰囲気があまりにフィットしていると(当時)感じたため,

紆余曲折もなく結合が成立した.

 (シリーズものと脳内BGMをくっつける考えはこの時に思いついた.

 以後の戯言シリーズなどはミステリを読みつつフィットする曲を探すというプロセスが,

 読み始めて最初の方にあった.)

で,血肉化し(過ぎ)たものを改めて言葉で語るというのは恐らく難しいもので,

今考えてみると当時(読中)の雰囲気などをうまく表現できない.


と言いつつ(?),SMシリーズの独自解釈を述べてみる.

常識にとらわれない魅力の常識的な味わい方(変な言い方だ)はウチダ氏に教わったのだけれど,

空想的実感(これも変な言い方)として味わわせてくれたのは犀川氏だ.

 脇道に反れるけれども,ここが森先生でなく犀川氏である所はポイントの一つだ.

 小説世界を堪能する上で読者の空想世界で活躍し訴えかけてくるのはあくまで登場人物であり,

 小説の作者ではない.筆者が書いたという事実とその内容の影響力自体は別次元にある.

  そして読者自身に衝撃を与えたのは森先生が描写した犀川氏ではなく,

  その描写を内世界に再構成した読者自身に住まう犀川氏なのだ. (09.11.26追加)

彼はいつもけだるい風を装う(外からはそう見える,の意)のだけれど,

彼の頭の中は常に様々なトピックにおける思考が渦巻いている.

ありていに言えば,外見の彼と内なる彼は別人であり,さらに内なる彼は一人ではない.

内なる彼らの一人は前意識を司り,別の一人は無意識に聞き耳を立てる.

(このあたり,深層心理学(フロイト)の勝手な解釈に依る)

現実世界の出来事に合わせて,またはそれと関係なく自分の思考の展開に従って,

様々な「彼」が顕在化する.

その「彼」の前景化により現実世界の危機的場面で的確な行動を選択できたり,

横断歩道で急に足が止まって車に轢かれたりする(実はここ笑う所).

現実世界に住まう彼はあくまで,「彼ら」の一員に過ぎない.


という話をする(誰に?w

すなわちある種の集中力が途切れたので,話を元に戻す(多分今日の僕は負けず嫌い).

この曲がどこでどうフィットするのかなぁという話はもはや復元できないほど

自分の中で周知の事実だという話であった.

そんな曲を今さら紹介するのかと自分に言いたくなってきたが…


タイトルにもある通り,曲にはどこか現実世界に安住させまいとする雰囲気が漂う.

(これは以前紹介した曲にも通ずるところがある)

「させまい」とは言っても,正確には「ただならぬ魅力がそうさせる」といったところ.

これが森ミステリィの魅力と共通する一部分なのではと僕は思うのだけれど…

自分で言っててよくわかんないスね.


今回で「脳内BGM@ミステリー」シリーズは終わり.

次からは通常版でお送りします..
by chee-choff | 2009-07-21 18:41 | V概論