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深爪エリマキトカゲ
cheechoff.exblog.jp
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◆ 「なんとでもいえる」のよしあし
ウチダ氏は自分の書いた『ためらいの倫理学』について
「同業者から見れば禁じ手」と自分で昔ブログにコメントしていたが,
たしかにその話の展開方法は万能包丁であれ諸刃なのだと思った.

のはウチダ氏ブログが最近あげた追手門大学の講演録を読んだからなのだが(長いですよ),
この途中のある箇所を読んで久しぶりに,初めてウチダ氏著作を読んだ時の印象を思い出した.
それはたしか学部生の頃実家で見つけた『おじさん的思考』で,
なんか構造(←と今でこそ言えるのだが)を語る語り口が今までになく独特やなあと,
でも「気分屋」というか記事の当たり外れが大きくて,
"ズバッと本質ひと突き"と"ごりごりの牽強付会"の差が極端だなと思って,
話に「強度ある実感」が伴うか「ひたすら置いてけぼり」を感じるかの差は
同じ構造について語っていても「はいり」の掴み如何に依っているのだと気付いた.

ウチダ氏はよく「当たり前」「常識」という言葉を使うが,
それは「古き(?)良き(??)日本の価値観」に照らし合わせて大体その通りだと思うのだが,
同じようにその言葉を使って語り始められた時,
読み手のこちらがその「当たり前」に全く実感が伴わなければどうなるか?
いくらその先で面白い話が展開されても「うーん?」と入り込めずにわだかまりを抱えたまま
読み終えることになる.
(書き手と読み手が同一人物でない以上当然起こることではある,
 ウチダ氏は「自分が読んでみたいと思ったことを書く」のだからなおさら)

きっと大学人としての枷がとれて言いたいことをそれなりにそのまま言えるようになって,
つまりウチダ氏はいつも「その場の勢いであることないことしゃべる」人なので
その「勢いの殺し方が緩んだ」ことで当たり外れが大きくなったのだと思う.

氏の著作はほとんど面白く読んでいるし,その頭の回り方や身体との折り合いの付け方(お伺いの立て方)も
間違いなく尊敬しているし「私淑」してるとここに何度も書いているけれど,
当たり前だけどだからといって氏の言うことを無思考(あるいは無感覚)で全て真に受けることはなくて,
「うさんくさけりゃ(←身体反応)まずはまゆつば(←脳の試行錯誤)」も氏の教えるところであるので,
変だと思ったら素直に自分の感覚を信じてその変を形にしておく.
もちろん自分の早とちりもある(てか殆どそれだろう)ので今後ひっくり返ることも大いにありうる.

というわかりにくいこれはメモです.
具体的にどこがどの辺,というと…
上のリンクの文章の中に「松本内閣参与のオフレコ発言」についての話があって,
そこで「『最後の言葉はオフレコだよ』と松本氏の指す言葉は実は『頑張れよ』なのである」
という「まくら」から独裁者の不可解な振る舞いの実効性について語られていくのだけれど,
この話は僕は新聞で読んだだけでその前後の発言の詳細だとか状況は詳しくは知らないのだけど,
「それはへんじゃないか?」と素直に思った.
「最後の言葉」の前には「意味のある」が省略されていると思うのが普通だろう.
独裁者が戦略として不可解な振る舞いをすることそのものは理解できるのだが,
その例として松本氏の発言はどうもしっくりこない.

…書き出してみるとあまり面白くないな.
途中から頭で書いちゃったかしら?

+*+*+*

「諸刃」とは「愛情の対蹠点は無反応」のこと,だろうか.
無反応を恐れていては愛情は得られない.
(と書いてから気付いてしまったことは書かない.「千里の径庭」ですね)

あれ,諸刃って,矛盾の体現(ありうべきひとつの形)では?
つまり片刃は脳の産物なわけだ.

+*+*+*

最近ベースラインにハマっています.
という「これ」は布石.
およそ一月後に回収予定.
ふふふ

【original】 ナイトスプレッド 【雪歌ユフ】
【original】 月の歌 【雪歌ユフ】

tom atomさん素敵☆
by chee-choff | 2012-04-13 22:26 | ウチダ氏