『身体のダイアローグ』(佐藤学)を読んでいる.
この本はウチダ氏ブログで何度も引用されており (古典を除けば引用回数は一二を争う多さという印象), 久しぶりのAmazonでの新品購入に本書を選んだのだけど, 届いてお馴染みの包みを開いて装幀を見た瞬間に, 「この本は今の自分には五つ星だ」との確信をもたらすオーラを感じた. 教育学者である佐藤氏と各界(解剖学,宗教学,社会学,…)の先達との対談集. タイトル通りの「身体ぐるみの対話」が読んでいて心地よい. 社会のリアルタイムの変化が最も鋭敏に表れる教育の現場を佐藤氏が語り, 対話者はそれと共鳴し合う経験や専門的な知見からの解釈を語る. 現代社会の問題点が単なる知識でなく,「肌触り」を備えた肉感を通して伝わる. 社会を語ると話が大きく抽象的になりがちだが,その肉感によって, いち読者の身体に社会の諸相がある感覚をもって落とし込まれる. それが「身体を備えた個としてこれからどう振る舞っていくか」に相対する契機となる. 本書の初版は02年だが,もちろんその内容は全く色褪せていない. 本書は「内容」ではなく「経験」が読後に残る稀有な好著. +*+*+*+*+*+*+*+* とか言っておきながらまだ2/3しか読んでいない. 書こうと思ったのは,本書を読んでいてあることを突然閃いたから. 「ケアル」とはFFでお馴染みの回復魔法のことだが, あれは「ケア(care)する」の派生ではないか. もしくは昨今(っていつからか知らんが)流行りの 「名詞の短縮形+る」による動詞化(ex.タクシーに乗る→タクる)の形, 「ケアる」なのではないか. (間違っても,唱えることで毛髪が黒々フサフサになり, 中年男性の精神的ダメージが回復する魔法ではないはず) もし後者だとすればFF1が発売されたのは僕が1歳の時なので(とさりげなくカミングアウト)… なんという先見性!! もちろん妄想です.
by chee-choff
| 2011-01-11 22:56
| 読書
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