深爪エリマキトカゲ
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◆ 716は二度見る
interlude.


はちまんさん行ってきました.

前回の失敗を復習して,40分前に家を出る.

去年と同じ道を通っていて人が少ないなーと思っていたら,

小学校低学年くらいの男児二人が二人だけで転がり回って遊んでいたり(いいのか両親),

女の子が連れてる犬が飼い犬のいる家の前を通るごとに吠え合っていたり(いいのか両親w),

活発な子どもはよいなぁと横目で見つつ早足で山を登っていたのだけれど…


間に合いませんでした(笑)

前回はレクセンの前あたりで新年を迎えてしまったのだけれど(ローカルですみません),

今回もほとんど変わらぬ位置でご臨終(前の年が).

そばを歩いてた二人組の中学生くらいの女の子が,

「ねぇあと30秒よ! もう間に合わんよね? …ああああと20秒!!」

「あんたねぇ. そーゆーのはお楽しみにとっとくもんよ」

とかひっきりなしに受け答えしてるもんだから,

もう年の変わり目なんかどーでもよくなって耳を傾けてました.

 (今年の大晦日は1時間前に家を出ようと思います.

 364日後の俺,この記事を要チェック!)


で,新年5分過ぎに八幡宮に到着.

確かにいつもより人が少なかった.

で若い人の比率が高かったように思う.

晦日から急に冷え込んだからかもしらんね.

門の前に並ぶ若い人らもわりと大人しく連れの人と喋ってた.

みんな落ち着いているように見えた.


今回は髪がバンバン長くてニット帽でなくハンチングだったので,

頭も耳も冷えて痛い痛い.

ってことで門前での人間観察もそこそこに

(もちろん並んで賽銭を入れる気はさらさらない笑),

いつの間にか初詣一番の楽しみと化した「缶ジュースお汁粉」を自販機で購入し,

外のベンチで冷え冷えしながらキュッと一杯.

缶の中に小豆が残らないように,半分飲んでからは缶をくるくる回し,

豆が浮いてるうちにくいっと傾けて飲む.

年に一回のことで別に熟練するわけでもなく,

やっぱり数粒残ってしまった空き缶を恨めしげに眺め,

缶を逆さにしながら缶と一緒に首もふりふり.

水平軸にふりふり,鉛直方向にもふりふり.

ふと目に意識がいくと月が綺麗.

まんまるで強い輝き.

「ふおぉ…」(のだめ風)


帰り道は例年通り,明かりのない山道.

でも今年は特に月が明るくて,足下にも困らない.

すれ違う参拝者にもライトを持ってない人が多かった.

「もうこの辺までくると足が棒になりそうだわ」

「そうよねぇ. くるよねぇ」

と楽しそうにやりとりしていた中年のおじさん方二人から,

「こんばんわ」.

会話が途切れるのではなく,

こちらが耳を傾けているのを把握していたかのように,

ごく自然なイントネーション(の起伏)の流れで交わされた挨拶.

周りの人を警戒心なしにすっと引き込む,境界の曖昧な穏やかなオーラ.

「ええおじさんやなぁ」

と正直に思った.


その山道.

足下に困らなかった僕はそれでも困りたそうにしていた両足君の意を汲んで,

月空を見ながら下山.

道の周りは竹林が覆っていて,

真上の月を笹の葉がうまく透かしの遮りのしてくれて,

見上げた画は影絵そのものであった.

その山道を抜けて空が開かれた時,

不思議な光景を見た.

まんまるの月と,その周りのオリオン座はじめ幾多の星々.

彼らを意識して通り過ぎるかのような,

絶妙に分かたれた雲の切れ端の群れ.

その月と星,雲々がひとつのまとまりと感じられた一瞬,

「ぴっ」となった.

…これは何だろう.

しばし考え,

言葉があとからやってくる.

そうか,あの一瞬,

僕は雲の上にいたのだ.

雲の上から,地上を眺めていたのだ.

雲の下に光る街の明かり(=星々).

…月は,何だったろう?


タイトルのこと.

これは「007は二度死ぬ」のもじりですね.

7→ち(ex.七萬=チーワン)で,

「ちひろ(→ちーちょふ)は(月を)二度見る」

と言いたかった.

では,その二度目とは.


竹林を抜けてのT字路.

しばらく立ち止まって空を眺めていたのがさっき.

一連の想念が過ぎて道に視点を戻せば,

もと来た見慣れた右と,通ったことのない左.

こういう風に意識してしまったが最後,

左の道を選んでずんずん歩く.

起伏が激しく,少し先も見えない,

未知への興味をかき立てる道.

 その先に何があるかではなく,

 その先に何があるだろうとわくわくする自分自身,

 その「俺」の躍動感に僕は興味がある.

 出先で道に迷った時もそう,チャリ旅で国道から逸れてふらふらした時もそう.

 もちろんその場でそこまで認識はしていないけれど,

 あとから思い返せば,いつも当時をそう振り返るのだ.

 そして,その中身はいつも謎に包まれているのだ.

 「へぇ,あん時の俺は何を思っていたのかねぇ」

寒い寒いと言いながら時々立ち止まり,空を見上げ,

はぁとかほぉとか言いながら知らない道を進む.

方向の検討はつけてるのでいずれ知ってる道に出てくるだろう.

そうやってふらふらしている間,

幅が広く薄い雲のひとかたまりが,

月に近づいていた.

僕はちょうど,月とその雲が重なり合う時に,見上げた.

月は明るく,雲のかたまり全体を照らして明るくし,

月自身も変わらず煌々としていた.

また一瞬,「ぴっ」といった.

ん,これは?

…,

あぁ.

雲と空が反転したのだ.

月に照らされた雲が空に見え,

そのまわりの薄暗い空が,雲に見えたのだ.

それでさっき,「ぴっ」となった後,「ぐるり」となったのだ.

僕の視界か,頭か,臓腑か,はたまた「世界」が.


これが「二度目の月」.


いいかげん寒さに耐えきれなくなってきて,

でも年賀状出さにゃ帰れんと思い,

でも帰り京都側ではポスト無かったよなぁと思って,

がんばってふんばって帰りに遠回りして大阪側のポストに投函して後,帰宅.

(実家がほぼ大阪と京都の府境にあるのです)

で風呂入って,今日初めてお会いした「くまさん湯たんぽ」と一緒に就寝.


くま氏はメガネが似合いますなぁ(登美彦氏風).

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by chee-choff | 2010-01-01 17:17 | 思考